一方、実体経済は、これまで世界各国から吐き出される過剰生産を一手に引き受けてきた巨大市場を失ったが故に、世界規模での生産縮小、企業収益の悪化、それに伴う所得減少と生活水準の引き下げを受け入れるしかない。おそらく「好況」と呼ばれたかつての経済状態は今後一切回復されないと覚悟する必要がある。
ただし、これらの経済崩壊は皮相でしかない。今回の世界恐慌の核心は、じつは「お金」崩壊そのものに直面しているところにある。国家債務と中央銀行債務を交換することで通貨を生み出すという、17世紀末の英国で発明され、以来世界中に天与のごとく広まった「お金」のシステムを、あまり野放図に、あまりに欲望が為すままに運営してきたツケが回り、その機能を完全停止せざる得なくなるまであと僅かとなりつつある。
こうした事態は、過去何度となく経験するにはした。しかし、「世界同時」という体験を人類は持たない。ここで、政治・行政・経済を司る既存勢力に解法を委ねてみても、すべての制度・政策は底なしのブラックホールに飲み込まれるだけである。突破口を開くことができるのは、「みどりのマニフェスト」などでオルタナティブを呈示し続けてきた私たちをおいてない。いままさに、自分たちに課せられた重大な使命を確認すべき秋にある。
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