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青木 秀和/市民研究者、「『お金』崩壊」著者

2008年11月21日

11/21up:【寄稿】金融問題 何が起きて、これからどうなり、明日をどうする!
青木 秀和/市民研究者、「『お金』崩壊」著者

 21世紀の世界経済は、史上最大の超経済大国として君臨する米国の消費市場に自らの成長」を託してきた。この経済構造からもっとも大きな利益を引き出していたのが、いうまでもなくわが国や中国そして産油国だった。反面、米国の集中豪雨的過剰消費を可能ならしめていたのは、対米黒字を積み上げるそうした諸国から次々と借金を呼び込み、その借金を元にさらに新しい借金を作り出すという証券化金融だった。ところがついに、このやり方が一気に消滅のときを迎える。きっかけはサブプライムローンの破綻に始まる住宅バブルの終焉である。その途端、天文学的数字にまで積み上がった負債の後始末が津波のように押し寄せ、いまや世界経済全体がそれに押し潰されようとしている。
一方、実体経済は、これまで世界各国から吐き出される過剰生産を一手に引き受けてきた巨大市場を失ったが故に、世界規模での生産縮小、企業収益の悪化、それに伴う所得減少と生活水準の引き下げを受け入れるしかない。おそらく「好況」と呼ばれたかつての経済状態は今後一切回復されないと覚悟する必要がある。
ただし、これらの経済崩壊は皮相でしかない。今回の世界恐慌の核心は、じつは「お金」崩壊そのものに直面しているところにある。国家債務と中央銀行債務を交換することで通貨を生み出すという、17世紀末の英国で発明され、以来世界中に天与のごとく広まった「お金」のシステムを、あまり野放図に、あまりに欲望が為すままに運営してきたツケが回り、その機能を完全停止せざる得なくなるまであと僅かとなりつつある。
こうした事態は、過去何度となく経験するにはした。しかし、「世界同時」という体験を人類は持たない。ここで、政治・行政・経済を司る既存勢力に解法を委ねてみても、すべての制度・政策は底なしのブラックホールに飲み込まれるだけである。突破口を開くことができるのは、「みどりのマニフェスト」などでオルタナティブを呈示し続けてきた私たちをおいてない。いままさに、自分たちに課せられた重大な使命を確認すべき秋にある。
posted by GREENs at 07:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 政策・論評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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